今日、昨年の6月から1年間かかりきりだった、玉野での作品を全て描き終えた。トータルで88点、6月の玉での個展会期中も、午前中は描きに出かけるので、100点はすぐに越えるだろう。玉での展覧会に合わせて開いたサイトの、『ギャラリー仁家』でまとめて見てみると、サイトとその作品群共々達成感がある。
紙一枚一枚は薄くても、重ねれば分厚くなるように、毎日の描画が、まとまればこれだけの存在に現成するのだ。そして、絵描きを志し、歩んできたこれまでの日々の微々たる行程のつみ重ねが、先日上梓した『全元論』ー画家の畢竟地ーの地点にまで来ることが出来たのだ。
世界情勢はネットのおかげで、嘘やインチキや暴力や賄賂が通用しない時代に、大きく変わりつつある。「真・善・美」が世界存在の法(ダルマ)、軌持(きじ、レール)なのだから、真善美に反する行為、存在が力を失っていくのは当然だ。その流れは、個人だろうと、団体だろうと、国家だろうと、例外はない。
美を否定し、フェイクが大手を振って横行した悪夢のような平成の時代を、画壇のはぐれガラスとして通り抜けて、〔美〕という方向に向かって、絵を描くことだけで、半世紀以上歩んできた一歩一歩の距離が、今回の作品群に結実したのだ。そして、まだ、私は生きて描き続けられている。随分遠くまできたなぁ、そして、新しく望ましい時代の令和に間に合った。満足、満足…。
明日から額作り、それが終われば、抽象印象主義の作品にとりかかります。