ギャラリー仁家

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玉野だより

『玉野だより』 2019.06.13【奥迫川風景(7)】

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この日も、前日と同じ風景を、視点の角度を変えてイーゼルを立てた。

緑の色は、絵画として使おうとすると、非常に難しいが、自然はこともなげに階調も色も配置している。2010年(64歳)にイーゼル画(対象の直接描画)を始める前はアトリエで絵を描いていたので、空や緑の色を決定するのに苦労したものだが、イーゼル画では対象の色にそのまま従うので、素直に忠実に、視線をキャンバスに変換して置いていけばいい。眼前の風景は、どこにも不自然なところはなく、平等で突出したところもなく穴ぼこもなく、まさに「現成公按」している。

私の造形心(絵作り)を消し、対象とキャンバスの間で、化学の相転移の触媒のように、無心に筆が運べば、世界が美しいのだから、絵が美しくなるのは当然だ。

しかし、無心に筆が動いて、対象を的確に変換するのには、描写スキルの習得と、正しい世界の認識が必要で、初発心(しょほっしん)の時からの不断の修行が怠れない。

-玉野だより

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