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この日は、迫川大池の土手の下にイーゼルを立てた。こういう風景は、光だけで描いていたイーゼル絵画を始める前には、目に入ってこなかった。そもそも、今回の玉野行も、大仙山の山頂の岩塊の風景を描いてみたいというのが、実現のきっかけだ。その望みは、王子が岳の巨岩の風景を描くことによって充分に満たされ、またそれを描写するスキルも磨かれた。
イーゼルの立ち位置まで続く手前の道と、画面の左下の土手の斜めの空間、これは、写真やスケッチやイメージから絵を描いていたのでは、最初から目に入ってこないし、当然として描けない。
一見なんでもない風景を、こうやって、こともなげにサラサラと現成(げんじょう)することができる自分に、満足、満足。