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この日は、車で入れる出崎の最奥から、細い道を通って宇野側の小さな浜でイーゼルを立てた。こちら側の浜は、海からの風をまともに受けてキャンバスやパレットをあおられ、視線とタッチを中断され描きにくい。鼻の背面から朝の太陽が顔を出すので、その前に、キャンバスをセットして描き始めた。
この浜では、初めてイーゼルを立てるので、すべて現場に来てからの判断で、太陽がどの位置に出るのか予想するだけで、実際は分からない。その事も含めて、風や寒さのハードルも、ネアカな私には、筆を握っているときにはむしろ楽しい。アスリートの記録と同じで、結果いいい作品ができれば、すべての苦労努力が報われるのだから。
どんな画面になるか想定できない、初めての場所で、初めてイーゼルを立てる時は、いつもワクワクする。