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『玉野だより』 2019.01.23【浜辺の松(出崎1)】
この日も、同じ浜での3日目。同じポイントの少し後方の浜辺の松をモチーフにイーゼルを立てる場所をさがす。海辺の崖や砂浜での松は瀬戸内では子供の時から見慣れているが、前回の訪玉で玉比咩(たまひめ)神社の松を描いた時から、やたらと目に飛び込んでくる。この後、何点も描くことになるのだが。砂浜の松といい、大きさといい、太陽の位置といい、背後の崖といい一期一会の数字が揃っているので、真逆光の位置にイーゼルを立てた。太陽光線を真正面に受け、対象も私もキャンバスも光に包まれて筆を走らせると、天地一杯の存在にシンクロする。前日のテキストでは、「イーゼル画にスランプもマンネリズムもない」といったが。こういう、天地一杯の存在にシンクロする瞬間は、スランプもマンネリズムも有ろうが無かろうがどうでもいいし、自己の身も心も、有ろうが無かろうがどうでもいい。まさに、道元のいう『身心脱落』だね。