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この日は、車で入れる出崎の最奥から、細い道を通って宇野側の小さな浜でイーゼルを立てた。この浜ではもう、何点か描いたが、今回の訪玉以前に予定していた、波張崎の松が、無くなって描けなかったので、この浜の岩場にある松を描くことにする。良さそうな松はあるのだが、画面に海の入る角度にイーゼルが立てられる場所は少ない。近景が主題なので画角が小さいので、10号くらいのキャンバスが適当だろう。
田井側の浜は、風が強い。下が砂なので三脚の足の下に、イーゼルが沈まないよう石を埋め、ジュリアンボックスの後ろに石の重しを置いても、キャンバスが風に煽られる時は、手で支えなくてはならない。描画の途中で中断すると、せっかくパレットでバルールを合わせた筆先の絵具の行き場が分からなくなって、イライラする。若い時ならカッカしたろうが、歴戦の老勇士は、そんなことくらいでは、平常心はゆるがない。
どうだ!結構いい絵になりそうだろう。うまくいったので、今後、何点か「海辺の松」を描くことになりそうだ。