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この日は、丸山の手前にイーゼルを立てた。この場所は以前にロケハンしていたのだが、この時期、下草が枯れ色になっているので、昨日描いた松と同じく、松の緑が美しい。描いていて、途中で気付いたのだが、左手前に生えている小さな松は、まるでジグソーパズルの1ピースのように、画面にピッタリとおさまっている。自然は人智を超えているなぁ。
ベルナールはセザンヌに「セザンヌは自然の奴隷だ」と言ったし、ルドンは「描写絵画は天井が低い」と言ったし、ピカソは「対象より絵のほうが強い」と言ってイーゼル画から離れた。今や、イーゼルを外に持ち出して、現場で描いている画家は、世界中を探しても絶滅危惧種だ。
しかし「真・善・美」は超越なので、人智の及ぶところではないし、人がどうこう出来るものでもない。美は超越なので、人それぞれではない。それに気付けばイーゼル画は復活するだろう。